「心と技」をお届けするだるま工房
1. ヘッタ作り(ダルマの底)…準備工程で夏場に粘土作業
2. 生地(ダルマの形)つくり…昔は木型に紙張り、現代は真空成型
3. ヘッタ付け(底)
4. 下塗り(胡粉かけ)
5. 上塗り(赤塗り)
6. 顔塗り(面胡粉塗り)
7. 顔描き(目のアイシャドウ、白目描き、小鼻、口描き)
8. 金描きで金彩を施す(目の回りの金淵、祈願文字、膝の金糸 、胴の中心に福入の金文字 )
9. 特注名入れ文字書き(黒エナメルの筆書き文字 )…名入れのみ
10. 特注名入れ文字縁取り(白描け)…名入れのみ
≪工程の詳細を知りたい人は、以下をごらんあれ≫
ダルマの形(生地)は、昔は手作業によりダルマの木型に一枚一枚専用のダルマ紙を張り、天日乾燥した後、ダルマの背を割って中の木型を取り出し、切れ目を膠で張り合わせて生地を作りました。
1970年代に入り、膨大な手間を省き確りしたダルマを作るため、「真空成型方式」。ダルマ紙を溶かした水槽にダルマの型を入れ、溶かした紙を吸い込んで型を作り、天日乾燥して生地を作るようになりました。
<ヘッタ付け>
乾燥生地の底に、ヘッタ(粘土で出来たおもり)を付け、ダルマが起き上がる仕組み(達磨大師の教えの中では、低重心・底力・安定力)をつけます。
ヘッタの真ん中には穴が開けてあり、ここに竹串をさします。(制作が終わるまで、作業場所等のの効率を挙げるため、巻き俵に刺すため等の工夫)。
<下塗り(胡粉かけ)>
白い胡粉(貝を焼いてつくる白い粉)を膠(ニカワ)で溶き、全体を白く刷毛塗りして、綺麗な下地をつくります。
巻き俵に刺し(麦わらを束ね、炭俵で巻き込んで周りの何処からでも竹串がさせるようにした、作業上の必需道具)、天日乾燥します。
<上塗り(赤塗り)>
全体を赤い塗料で塗ります。(達磨大師が面壁九年の修行をした時、寒さをしのぐ為、着衣の緋の衣を頭からすっぽり冠ったお姿がダルマの原型であり、緋の衣の色といわれております。)赤い塗料を塗料槽に入れ、その中で串を付けたまま白いダルマを回転させながら赤く塗り、巻き俵に刺し天日乾燥します。
最近は、特注色指定(金、白、黄、緑、青、紫、黒、ピンクなど)のダルマもご希望によりお受けしております。
<顔塗り(面胡粉塗り)>
ダルマの顔の部分にダルマの肌色を筆で塗り、巻き俵にさし天日乾燥します。
<顔描き>
まず目のまわりにぼかしの化粧(アイシャドウ)を入れてから、筆で大きな白目を入れ、筆で赤い小鼻と口を描きます。
<金描き>
筆で白目の周りと顔の両脇、胴(座禅の膝にあたる部分)に金彩を施します。顔の両脇は願い事の「祈願文字」を書き、膝には袈裟の金糸を表す線を描き、達磨大師の風格を表現したと言われております。胴の中心には通常金文字で「福入」と書きますが、特注でエナメル仕上げ白縁取りを施したものや、金文字に白縁取り、会社名や苗字、ロゴマークを描いたりしたオリジナルなダルマも人気です。
<ひげ描き>
筆に墨汁で顔の眉と頬ひげを描き、ダルマの風格を現します。ダルマの顔は描く人の性格が出ると言いますが、ひげは一本一本太筆で、穂先に魂を込めて繊細に手描きで描き分けるのが匠の技。眉は鶴がツガイで向き合い、頬ひげは亀の甲羅をあしらって向かい合い、鶴亀が運ぶ幸せに、亀の尾は末広がりに因んで8の字をあしらって縁起づくしの丸顔が特徴である。縁起も手伝って飾る人の心願成就を心込めて真剣・丁寧に描き上げるダルマは、ひげ描き暦60年のキャリアを誇る当店自慢の自信作です。